夏季競馬の期間中にJRAで行われる唯一のGII ということもあって、ここを秋のGI 戦線に向けての始動戦とするトップホースも珍しくない。また、サマー2000シリーズの対象レースでもあり、夏の中距離チャンピオンの座を目指す馬も多数出走する。昨年のシリーズチャンピオンとなったダービーフィズは、札幌記念(3着)で5ポイントを獲得したことにより、チャンピオン争いから一歩抜け出した。
新潟競馬場の芝外回り・1600mが舞台となる関屋記念は、長い直線でのスピードと瞬発力比べが見せ場となるレースだ。昨年は、逃げたレッドアリオンが直線で追い上げてきた馬たちを封じて優勝。今年も道中のペースや各騎手の作戦などが、勝敗を左右する重要なポイントとなるだろう。
近年のエルムSでは上位人気馬の優勝が続いており、単勝4番人気以下でこのレースを優勝したのは2006年のヒシアトラスが最後である。なお、シーサイドSの名称で行われた第1回を含む過去20回の優勝馬のうち、単勝オッズが10倍以上だったのは1996年のキョウトシチーと2004年のパーソナルラッシュだけだ。
2009年の優勝馬トランセンドは後にGI・JpnI を4勝。2012年の優勝馬ホッコータルマエは今年1月の川崎記念で自身10度目のGI・JpnI 制覇を成し遂げるなど、ダート戦線のトップホースとして長期間にわたり活躍している。数々の活躍馬を送り出してきた一戦を制し、今後の大舞台に向けて弾みをつけるのはどの馬だろうか。
サマー2000シリーズの第3戦となる小倉記念は、ハンデキャップレースということもあり、過去10年の連対馬20頭中8頭を単勝6番人気以下の馬が占めるなど、伏兵馬の台頭が少なくない。過去の優勝馬の中から、2006年のスウィフトカレントと2011年のイタリアンレッドがシリーズチャンピオンに輝いているように、シリーズの行方を占う上で重要な一戦となる。