皐月賞トライアルのスプリングSは3着以内の馬に皐月賞の優先出走権が与えられる一戦だが、このレースの好走馬は本番の皐月賞だけでなく、その後のGI 戦線でも活躍を続ける馬が多い。過去10年の結果を振り返ると、単勝1番人気馬10頭はすべて3着以内に入っており、今年も1番人気馬がファンの期待に応えられるか、という点も見どころの一つになるだろう。
2013年と2014年の阪神大賞典を制したゴールドシップは、昨年の阪神大賞典も快勝して同一重賞3連覇の偉業を成し遂げた。さらに同馬は、次走の天皇賞を単勝2番人気の支持に応えて勝利を飾っている。過去30年の天皇賞を振り返ってみると、優勝した30頭のうち13頭、単勝1番人気に支持された30頭のうち16頭は、同年の阪神大賞典に出走していた。
3着以内の馬に桜花賞の優先出走権が与えられるフィリーズレビューはGII の芝1400mで行われるが、桜花賞の前哨戦の中でも賞金額が大きく、唯一1400mで行われるとあって、この条件を求めて参戦してくる馬も多い。また、昨年から出走可能頭数が16頭から18頭へ増やされたため、優先出走権をめぐる戦いもより厳しいものとなった。
一昨年は1番人気のフーラブライドが優勝、昨年は3番人気のバウンスシャッセが制すなど、ここ2年の中山牝馬Sは比較的順当な決着が続いている。もっとも、2007~2013年にかけては7年連続で単勝4番人気以下の馬が勝っている上、2007~2012年の6年間はいずれも3連単の配当が10万円を超えている。波乱の決着が珍しくないレースだけに、前評判が高い馬だけでなく、高額配当を演出しそうな伏兵にも注目しておくべきだろう。
皐月賞のトライアルレースとして行われる当レースは、本番と同じ中山競馬場の芝2000mで争われる。2010年の優勝馬ヴィクトワールピサが続く皐月賞も制したほか、2009年の優勝馬ロジユニヴァースはクラシック第二冠の日本ダービーを制覇するなど、その後のクラシック戦線を占う意味で注目の一戦となっている。