過去10年の秋華賞の優勝馬10頭中、過半数の6頭は同年春のJRAのGI(桜花賞またはオークス)で優勝経験がある馬だった。ちなみに、過去10年の菊花賞優勝馬のうち、同年にJRAのGI で優勝経験があったのはオルフェーヴルとゴールドシップの2頭だけ。3歳馬による三冠競走の最終関門という位置付けは同じだが、菊花賞に比べて、秋華賞は“一冠目”の桜花賞や“二冠目”のオークスを制した馬の活躍が目立っている。今年も春のクラシックホースが貫録を見せるのか。それとも、新興勢力が一気の戴冠を見せるのか。今回は過去10年のレース結果から、傾向の変化にも着目しつつ、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
昨年の京都大賞典を制したラブリーデイは、次走の天皇賞(秋)で宝塚記念に続くGI・2勝目を挙げて、JRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出された。また、同2着のサウンズオブアースは、暮れの有馬記念でも2着に食い込んでいる。歴代の出走馬を振り返ってみても、この京都大賞典をステップに天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念など秋のビッグレースで好走を果たした馬は枚挙にいとまがない。
毎日王冠は、秋のGI 戦線を目指すトップクラスの馬たちが、その前哨戦として出走してくる一戦だ。だが、過去10年で1~3着を5番人気以内の馬が占めたのは、2011年の一度だけとなっており、今年も伏兵馬のチェックは怠れないだろう。
秋のGI 戦線の幕開けを告げる一戦が、秋のスプリント王決定戦となるスプリンターズSだ。2005年と2006年、2010年には外国からの遠征馬が優勝、2012年と2013年には国内外の短距離路線で大活躍したロードカナロアが連覇を達成するなど、毎年白熱したレースが繰り広げられている。
昨年の優勝馬ショウナンパンドラは、その2か月後にジャパンカップを制覇。2着のヌーヴォレコルトは続くエリザベス女王杯と年末の香港Cでも2着に好走した。実績馬の参戦が多いものの、現在6年連続で単勝6番人気以下の馬が3着以内に入っている。