京都牝馬Sは、4歳以上牝馬による春の女王決定戦・ヴィクトリアマイルに向けた牝馬重賞戦線の一つに数えられる。今年から距離が200m短縮されるとともに、開催時期が4週繰り下げられた。
過去10年の優勝馬10頭のうち、4頭が同年のJRA・GI を制している。2010年の優勝馬ブエナビスタはヴィクトリアマイルと天皇賞(秋)を制し同年のJRA賞年度代表馬に輝いた。また、2013年の優勝馬トーセンラーがマイルチャンピオンシップでGI 初制覇。昨年の優勝馬ラブリーデイは宝塚記念と天皇賞(秋)を勝って、JRA賞最優秀4歳以上牡馬のタイトルを獲得した。ちなみに、過去10年の京都記念で2~6着となった馬からも、同年のJRA・GI を制した馬が計6頭出ている。現役トップクラスの実力馬が集まる注目の一戦を制し、主役候補の一角として春のGI シリーズに駒を進めるのはどの馬だろうか。
近年の連対馬の中で、2012年の勝ち馬ゴールドシップは皐月賞と菊花賞を優勝し、同年の2着馬ディープブリランテは日本ダービーを制覇。2014年の勝ち馬イスラボニータは皐月賞を勝ち、2015年2着のドゥラメンテは皐月賞、日本ダービーの二冠制覇を果たし、このレースをステップに日本競馬を代表するスターホースの座へ駆け上がった。
きさらぎ賞が行われるのは2月初旬で、3歳クラシック戦線の第一関門となる桜花賞、皐月賞までは2か月ほどの間隔となるため、近年はこのレースからクラシック本番へ直行する馬も多い。過去10年の優勝馬を振り返ると、2006年の優勝馬ドリームパスポートは皐月賞2着→日本ダービー3着、2007年の優勝馬アサクサキングスと2009年の優勝馬リーチザクラウンは日本ダービーで2着と、クラシックに向けて注目度の高い一戦だ。
昨年の東京新聞杯で重賞初制覇を飾ったヴァンセンヌは、4か月後に行われたGI・安田記念で、優勝馬モーリスとタイム差なしの2着に入った。また、2014年の優勝馬ホエールキャプチャは、2012年と2013年のヴィクトリアマイルで連対を果たしていた馬である。東京新聞杯は、同じ東京・芝1600mで行われるビッグレースと密接な関わりがあると言えるだろう。なお、2007年のスズカフェニックスを最後に単勝1番人気馬が連敗中で、昨年も3連単で15万5940円の高額配当が飛び出すなど、波乱の決着となる年も珍しくない。